香りの散歩道


パンの日

墨絵・朝野泰昌
今日、朝食やランチにパンを召し上がった方もいらっしゃるでしょう。
焼き立てのパンの香りをかぐと、しあわせな気分になりませんか。

この「パン」という言葉の語源は、ポルトガル語です。
西洋のパンが日本にやって来たのは、戦国時代のこと。
種子島に漂着したポルトガル人が、鉄砲とともにもたらしたと言われています。
そのとき、ポルトガル語を聞いた人たちが、「どうやらパンというものらしい・・・」ということで、この呼び名になったようです。

そして、江戸時代の終わり、1842年の4月12日には、初めて日本製のパンが焼かれました。
その指揮をとったのは、伊豆の韮山(にらやま)で代官を務めていた、江川太郎左衛門(えがわ・たろうざえもん)という武士です。

幕府から江戸湾の警備を任された太郎左衛門は、万が一、外国と戦うことになったときのために、兵士に持たせる兵糧としてパンに目をつけたのでした。
日持ちのする乾パンのようなものだったそうですが、これが国産パンの第一号で、今日4月12日は「パンの日」という記念日にもなっています。

やがて、明治の世となり、西洋の食文化が紹介されると、洋食とともにパンを口にする人は増えていきました。
あんパンやクリームパンなど、日本で生まれた菓子パンも人気を集め、いろいろな種類の美味しいパンが食べられる国になったのです。

「パンの日」の今日。
そんな歴史にも、思いを馳せてみませんか。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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